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シリコンバレーに行ってみて初めて感じた違いと秘密

2011.3月。

10日ほどの間ですが、サンフランシスコに滞在し、いわゆるシリコンバレーと言われる一帯を訪問してきた。
多くのスタートアップの企業、世界を変えたベンチャー企業で働く方と直接会い、話すことは、インターネットのブラウザからはなしえない、貴重な経験だった。本当に一部ですが、印象に残ったことを書き残していきたいと思う。

前置き:ありふれた理由
ネットでよく聞く、シリコンバレーのすごさを身を持って感じたい。というありふれすぎた理由がきっかけで、半年前にカンファレンスに参加する申し込みだけしました。エンジニアとしてインターンもしていたため、サービス開発や向こうで働くことにも興味をもち、

Q1:なぜSVから面白いサービス、世界を変えるサービスが誕生するのか?何が日本と違うのか?
Q2:どうすれば、自分もそんなサービスを作りだせるのか?Q3:自分が働くとしたらどうなのか?

このあたりの問いに答えられるようになるのが旅の主な目的となり、どれも答えがみえたように思う。一つづつ書き残していく。


実際に訪問した企業、参加イベントは以下。

facebook


google
twitter

・btrax (サンフランシスコ/シリコンバレーのWebデザイン会社) 
http://www.btrax.com/
・ngmoco (去年DeNAが買収したことで話題になったアメリカのソーシャルゲームカンパニー)  
http://blog.ngmoco.com/
GREE
http://www.gree.co.jp/
IDEO (世界的なデザインコンサルティングファーム) 
http://www.ideo.com/

<インキュベーション施設>
・plug and play tech center 
http://www.plugandplaytechcenter.com/


・socialcamリリースイベント 
http://ja.justin.tv/ 
http://socialcam.com/(socialcamは動画共有のソーシャルアプリ。twitterのショートムービー版。)
・SFbeta(startupがデモを行う交流イベント)
http://sfbeta.com/
シリコンバレーカンファレンス(JTPA)
http://www.jtpa.org/


Q1:なぜSVから面白いサービス、世界を変えるサービスが誕生するのか?何が日本と違うのか?



★日本にはない、シリコンバレーの秘密

よく言われる点は
・そもそもスタートアップの数が違う
・資金に溢れている
・人材が優秀

といった点で、インキュベーションのエコシステムが成り立っているということ。知識では理解していた。

 この点について、行ったから初めてより鮮明にわかったことは、はっきりいって思ったよりあまりない。ググって出てくる通り、上記は事実だった。行かなきゃわからなかったことがあるとしたら、それは

”自分がなにかできると最も信じられる環境”
があることが鮮明に身を持って感じたこと。ネットで知ってる、と経験として感じとる、ことは大きな差がある。シリコンバレー(正式にこのような地名はなく、現地の人はシリコンバレーと呼ばないらしいですが)の人たちが、ここなら何かできるとみな確信している。そんな人同志が集まって化学変化が日々起こっている印象だった。

 あれだけのインキュベーション施設、成功した投資家や起業家との接点、毎日数カ所で行われるstartupイベントで人材の触れ合いと熱いディスカッション、街事態の異常なiphonemac率。どれも明らかに予想以上だった。

 人材について、意外だったのは人材の本来の質は日本もいいしそこまで変わらない、とシリコンバレーで働く多くの日本人が行っていたこと。でもはっきりとマインドは違った。人材の獲得競争が逆にどこも厳しいが、エンジニアの待遇はそれに比例して格段によく、もっともサービス開発に集中できる環境でもあった。

 ネットで何度も読んだことあったことだが本当に情報、人材、資金、全てに溢れている。サンノゼだけでなく、サンフランシスコにもインキュベーション施設が増えてきているし、投資家との接点も多くある。「投資をもらってからネタを考えるのもあり」という言葉が出てくるくらいだ。

 このような人材や資金、環境という土台の上でこそ成り立つ、「成功を信じる文化」がそこにあったと強烈に感じた。

常識的に考えると、起業は非常にリスクのあることかもしれない。この地域は再雇用がしっかりしていることもあるが、それでもリスクがある。でも周りの人も同じで、関係ない人もそれを応援してくれる。自分、仲間、そして街に済む多くのネット関係で働く人達。そしてそこで生まれる文化の全てがそろって、可能性を信じるポジティブな空気、迷いなく夢に向かって走れる環境があると感じた。


Q2:どうすれば、自分もそんなサービスを作りだせるのか?

評論家でも分析屋でもないので、「これだ!」という格言的なことは言えないが、向こうで得た、生の情報から数点抽出してみる。


A:成功する起業家の条件
SVCのスピーカーの一人である大澤 弘治さんのお話より引用。これまで数多くの企業に投資し、成功する起業家を見てきてのお話。一般論として抑えておく価値はあるとおもう。

スピーカーの大澤 弘治さんの経歴はこちらから。

・funders were all their teens or 20s.
創業者が10代、もしくは20代であること。

・all had foreign-born funders.創業者に移民、海外で生まれ育った人がいること。

・disrupt or re-invent market.既存のマーケットを崩し、再編する。

・Established under the deepressed economic situation不況時に設立する。

・not required a big money in the early stage and reach cash flow breakeven with less than $10M. アーリーステージで$10M以上の資金を必要としない。

・Not necessary to have a great resume /track record素晴らしい経歴や、トラックレコードは必要ない。
<補足:よくある失敗要因>
・market risk (Timing)
・Poeple risk(Replacement)
・Over-funded


A:では実際にホームランをうつには?(主観も含め)
ちょっと切り口を変えてまとめてみる。「世界に名だたるwebサービスをつくるには」という向こうの誰しもが考えている点であり、さまざまな話を聞けたのでまとめて見る。


1:打席に多く立つこれは当たり前であり、かつ難しい、明らかに大事なこと。

「失敗をmanageした上に成功がある」

これの考え方は、いろいろな人からいろいろな話を聞いたものの大きな共通点だった。



2:ターゲット(アメリカ人)の心になりきる。 

スケールすることを前提に考える場合、これは日本人にとっては障害になるかもしれない。でもユーザーの文化や肌感覚のような、本質的な部分まで理解しなくては、特にソーシャルなサービス、UGC系は成り立たない。当たりが見えないっと。これも納得だった。
 解決策として、海外に住むという選択肢も1つだが、メンバーに日本人以外、もしくは帰国子女でアメリカ文化に浸った人間がいるとこの点はクリアできそうである。
 もちろん全てのサービスがソーシャルなものではないし、文化に左右されないニーズ(エンジニアなど)もあるし、日本人が観察力を研ぎ澄ませてユーザーを理解することは前提として可能だと僕は思っている。でも、メンバーにいたほうが手っ取り早いとも言えるということ。


3:役に立つ実用性のあるものを。 日本のサービスのアメリカでのローカライズやwebデザインを手がけるbtraxのCEOの片山さんから聞いたお話。これは文化の違いもあるのかもしれないが、日本と大きく違うこととのこと。海外の人は基本的に何かしらの実用性を求める。日本では、占いなどの市場はなかなかのものだが、海外でいくらローカライズしても成功したためしがないらしい。
 そう聞くと「今ヒットしてるサービスの実用性ってなに?あるの?」となるが、例えばあんまり実用性がなさそうな写真共有SNSinstagram。これは、かっこいい写真が取れて保存できることに加え、一眼レフなどのカメラを持たずにいい写真が取れるようになった、という実用性があるとの説明に納得した。


4:既存のプラス20%を目指さない。 これは自分もそうだし、多くの人が陥りががちなのではないだろうか。日本でインキュベーションを行う投資家にも同じ言葉を丁度渡米前にもらった。既存のひっとしているサービスの「ここがだめだ!」を原点にしがちなこと。場合にもよるが、既存のサービスの思想の延長線上に乗ったままのサービスはいずれ駆逐されてしまうし、刺さらない。
 サービスを考える上で、参考にするのは大事だが、コンセプトが独自性なのか、既存の+20%にすぎないのか、はしっかり見極めた点だ。


5:ほしいものをつくる

 シリコンバレーでstartupをしている人は、僕が会った限りではみな自分のサービスを本当に楽しそうに説明する。自分も、サービス企画をここ半年で何度も考え潰してきたが、やっぱり本当に自分が欲しいと思えるものをつくる、というのはすごく大事だと思った。
 マーケットニーズや、スケールを重視して定量的に良いものは出来るかもしれないが、それは自分以外の多くの人がおそらく思いついていることだし、いざ勝負になったら勝つのは本当に「これがほしい!!」と思っているfunderだろう。加えて主観だが経験上、自分はあんまりユーザーじゃないサービスを考えると、ついついユーザー目線がおろそかになる。技術やデザインも大事だが、startupで一番大事なのはコンセプト、つまりユーザー体験のデザイン。ユーザーニーズからずれた企画に価値は無いと思う。その鍵になるのもやはり「ほしいものをつくる」ということだろう。組織が大きくなると難しいが、ここがstartupだからこその強みでもあるとおもう。
 そのためにも、さまざまな経験すること、日々の経験に観察力と想像力を持って過ごすこともイノベーションの種をみつける上で大事だと改めて思った。
 
6:想像したものを忠実に創造できる、エンジニアの力これはもう当たり前でしょ的な話なので割愛するが、ゼロから1をつくる段階では圧倒的につくれるかどうかが重要。サービスの拡大期にはもちろん優れたマーケティングが必要。twitterは未だにマーケというポジションがなく、エンジニアと、広告のセールスのみだとか。コンセプトがしっかりしてると、マーケティングなんていらないのかもしれない。


7:プレゼンがうまいことこれもよく言われる条件。でもやっぱり新しいものを広めるというのは、その良さを理解してもらうための伝道師が必要。極めて重要な要素の1つ。



8:遊びをもつ

socialcamのイベントでも、多くの人と触れ合って企業を見ても思うのが、ユーモア・遊びにあふれていること。論理的な証明はできないけど、遊びがあるから想像力が働くし、楽しいからもっとやろうと思う。クリエイティブなエネルギー、そして働くことを楽しむには遊びがとっても大事だと改めて感じた。


Q3:自分が働くとしたらどうなのか?労働環境事情。


違う点としては簡単に6つ。かなりあっさりです。

・労働時間がフレックス。startupはもちろん、google社員も出社はバラバラのよう。採用労働制のようなものが普通。
・5時帰宅→自宅作業。家族と夕食を食べるのが暗黙の了解。
・給与。一概には言えないが、ネットで見るとおり待遇が良いのは確か。
特にエンジニアの採用コストは凄まじかった。
・地価の高騰。最近の企業やいわゆるシリコンバレーであるサンノゼやパロアルトから、サンフランシスコ市内に増えてくているが、東京の地価をも超えているそう。良い待遇な分、負担の割合は意外と変わらないかもしれないが、十万以上は払わないとまず普通のところには住めないようだった。
・エンジニアとマーケのバランス。平均して、日本よりエンジニアに裁量がある企業が多い。
・食事という面では、日本>>>>>>>サンフランシスコ

こういった点を含め、あとは生活を含めたうえの好き好きかな、という印象だった。
個人としてはモノづくりをする人が中心のあの文化はすごく好きで働いてみたいと思った。


★結論

「帰国して自分は何が変わったか?」そう考えると、能力的な成長はないしまだペーペーである。

しかし
・自分が進もうとしている世界は、どんなところに繋がっているのかがリアルに見れたこと。
・多くの目標にしたい人に会えたこと。その人から直接アドバイスをもらえたこと。
・ネットで見るだけでなく、体験することではっきりと自分の感性にピンとくる/こないがわかり迷いがなくなったこと。
・上記の渡米前の三つの疑問がクリアになったこと。

などこれらの経験は、たった10日間とちょっとのお金という対価としては余裕でお釣りがくるものだったと思う。
また、各企業訪問の様子、向こうでしか聞けなかったことなどは別途まとめようと思う。

質問、意見等はコメントもしくは@takayuki_shmzまで。