「スティーブ・ジョブズ 驚愕のプレゼン」:なぜ気にかける必要があ

大躍進真っ只中のアップル。だれもがジョブズのプレゼンを一度は見たことがあるでしょう。
あのみているものを引き込むプレゼン、youtubeの再生回数がそのすごさを物語っている。

「あんな風に人々を魅了するプレゼンができたら」

誰もが一度は思ったことがあると思います。何万人の心を動かす世界有数のコミュ二ケーター。

そんなジョブズのプレゼンの秘密に初めて的を絞った本「スティーブ・ジョブズ 驚愕のプレゼン」を読んでみました。
抽象論ばかりでわかりにくい、具体例ばかりで応用できない、といったことがこの手の本であるあるですが、章ごとのまとめ、詳細な具体例とシンプルな分析、読み手の今後の応用を意識した提案など、読んでいると想わず「自分もできるかも?!」と思わせ、今すぐ応用してプレゼンがしたくなる本です。著者もさすが、コミュニケーションのプロ、と言った感じです。そして何より、ここまえジョブズのプレゼン(スライド、言葉、ストーリー)について細かく分析されたものはないと思いました。

正直面白いとこがありすぎて付箋だらけなんですが(笑)、3回に分けて感想を。最初は第一部「ストーリーを作る」から。

◆この問いに答えていますか?:「なぜ気にかける必要があるのか」◆
読んでいて最もぐさっと来たのがこの言葉でした。聞き手がなぜ気にかける必要があるのか。

みなさんも他人を前にして話すことは多いでしょう、プレゼン、スピーチから、普段のちょっとした会話まで。僕も、イベントの際の最初の一言、MTGの情報共有、数十人に向かってメッセージを伝える、そんな機会があります。うまくいかないとき、たいてい聞き手との距離を感じたり、関心のなさを感じて悩みます。逆に聞き手として「つまんないな」と想うスピーチは結構ありました。いくら想いがあっても、いくら内容が素晴らしくても、聞いてもらえない話に価値はあるんでしょうか?

それらの話し手、自分に足りないのは
「なぜ気にかける必要があるのか」
このシンプルな問いを追求して逃げないことだなと。ついつい自分のいいたいこと、すごいと思ってることを全て伝えようとしてしまう。でもそれってホントに聞き手が欲しがってること?ジョブズの言葉で「ユーザー体験からスタートして技術へさかのぼらなければならない。逆ではいけない」とありますが、話し手も同じで、聞き手の体験からさかのぼって、話すことを決めなくてはいけない。聞いたことはあるかもしれません。ですが、出来てる話し手は意外といないですよね。話す事の目的は、「しゃべること」でなく「理解・共感してもらうこと」がほとんどのはず。



あと印象に残ったのは、
「アップルのやり方は、宗教の布教と同じ」
「シンプルさ。シンプルに伝えるむずかしさとその価値」

でしょうか。このあたりも是非読んでみてほしいと思いました。

◆3分3文キーセンテンス
ササッと1章の読みどころを、3文ずつピップアップ。

一部目次:
1:計画はアナログでまとめる
「プレゼンターは、考えること、スケッチすること、筋書きを作ることに時間の大半を投入すべきだ」
「聞き手に訴えるのはストーリーである。スライドではない」
「パッションステートメント。『この製品は私は大好きだ。なぜなら・・・』」

2:一番大事な問いに答える「人々が知りたいのば別のことだ。なぜ注目する必要があるのか」
「インテリジェント、ソリューション、、、わかったようなわからないようなバズワードをなくす」
ジョブズが売ろうとしているのは、より用未来という夢なのだ」

3:救世主的な目的意識を持つ「リーダーとは未来に魅せられた人をいう。変化を求めて動かずにはいられない、
現状がじれったい・・・こういう人だけがリーダーである」(バッキンガム)
「コミュニケーションの極意は、情熱を傾けられるものを見つけること。」
「自分が一番情熱を燃やせるものは何なのか、それを自問してほしい。自覚したら、
その気持ちを聞き手に伝える。人というのは、感動する話を聞いて刺激を受けたいと思うものだ」

4:ツイッターのようなヘッドラインを作る「アップルのヘッドラインが記憶に残るのは、3つの条件を満たしているからだ。簡潔、具体的、そして利用者にとってのメリットがわかる」
「i-pod。1000曲をポケットに」
「ある投資家は私にこう語ってくれた『何をしたいのか10ワードいないで表現できないなら、私は投資しないし買わないし、興味をもたない』」

5:ロードマップを描く「「3点ルール」がとてもパワフルなコミュニケーション理論であることをジョブズはよく理解している。」
海兵隊の研究で、命令を3つにすると兵が従いやすいことがわかっている」
オバマのスピーチは3文で高背いされる段落に分割するとともに、一文でいう内容も3つにすることが多い」

6:敵役を導入する「文脈が必要なんだ。ユーザーに痛みをもたらしている問題とどのような県警にあるのかという文脈が。」
「アップルのやり方と布教は基本的に同じ考えかたによるものだ」
「導入には、以下4つに答えられればよい。1:何をするのか2:どの問題を解決しようとしているのか3:ほかとはどう違うのか4:なぜ気に書ける必要があるのか」

7:正義の味方を登場させる「アプリケーションを手に入れるたび、ちょっとしたジレンマを解決。それがiphoneなんです」
「彼らが買っているのは、そのプロセッサーが実現する体験なのだ」
「悪玉を創りだし、正義の味方がもたらすメリットを売り込むという技術、その能力こそ、スティーブ・ジョブズのメッセージの根源」